皆さま、こんにちは。 「うなやま」店主です。
藤沢で「うなやま」をスタートさせてから、私が常に自問自答していることがあります。 それは、「どうすれば、最高に美味しい鰻を、誰もが日常的に楽しめる価格で提供できるか」ということです。
従来の鰻業界では、いわゆる「串打ち三年、割き八年、焼き一生」といった職人の修行期間が美徳とされてきました。
しかし、私たちはその常識に挑んでいます。
職人の勘や経験といった不確かなものに頼り切るのではなく、徹底した効率化と仕組みづくりによって、高いクオリティを安定させ、かつ低価格を実現する。
それが「うなやま」のコンセプトです。
私たちが守りたいのは「古い慣習」ではなく、お客様が鰻を口にした瞬間の「美味しい!」という笑顔と、「この価格でいいの?」という驚きです。
そんな「既存の枠組みに捉われない」姿勢を貫く中で、先日、ある非常に興味深いお酒に出会いました。
企業視察ツアーで訪れた、千葉県印旛郡酒々井町の老舗蔵元「飯沼本家」さん。そこで手に入れたのが、今回ご紹介する「酒々井の諸事情」という日本酒です。
このお酒が生まれた背景には、私たち「うなやま」が大切にしている「リーダーとしての姿勢」に通じる、熱い物語がありました。
飯沼本家さんには、「酒々井の夜明け」という看板商品があります。
毎年、立冬の日の夜明けとともに搾り、その日のうちに店頭へ届けるという、鮮度とスピードを極限まで追求した純米大吟醸の生原酒です。
多くのファンが心待ちにする、まさに失敗の許されないプロジェクトです。
しかし、2025年に向けての仕込みの最中、予期せぬ事態が起こりました。
「もろみ」の初期段階で、醸造上のトラブルが発生してしまったのです。
誤って違う樽に入れるべきアルコールをこの酒々井の夜明けの樽に入れてしまったそうです。
酒造りは、繊細な微生物の働きによって成り立っています。
どれほど徹底した管理をしていても、自然の力は時にコントロールを離れます。
本来であれば、ここで「酒々井の夜明け」としての出荷は断念せざるを得ません。
「今年は出荷できません」と、諦めて終わらせてしまうのか。 それとも、この状況から何か新しい価値を生み出すのか。
蔵のリーダーである杜氏が選んだのは、後者でした。
杜氏は、トラブルに見舞われたもろみを諦めることなく、そこから何ができるかを徹底的に考え抜きました。
分析を重ね、火入れのタイミングや温度を微調整し、試行錯誤を繰り返す。
その執念によって、当初の予定とは異なる、しかし「全く新しい、美味しい限定酒」として再生させることに成功したのです。
そうして緊急発売されたのが、この「酒々井の諸事情」です。
私は視察でこのエピソードを聞いたとき、深く感銘を受けました。
名門の看板を背負いながら、トラブルという「マイナス」を「限定酒としての物語(プラス)」へと転換させた判断。
これは、単なる技術の問題ではありません。
リーダーとして窮地に陥ったとき、決して諦めず、「何とかする」という強い気持ちを持って行動し続けられるかどうか。
その精神性こそが、組織を救い、新しい価値を生むのだと改めて学ばされました。
私たち「うなやま」も、鰻の成瀬のフランチャイズからの独立という大きな決断をし、自社ブランドとして歩み始めました。
新しい挑戦には、当然ながら予期せぬ壁が立ちはだかります。
しかし、飯沼本家さんのように、どんな「諸事情」があろうとも、それをポジティブな力に変えて、お客様に最高の体験を届ける。
その覚悟こそが、これからの私たちには必要なのだと感じています。
酒々井町は、一度も合併を経験していない日本で最も古い町の一つです。
江戸時代には宿場町として栄え、地名の由来も「水が湧き出る(出水)」ことからきていると言われるほど、水質の良さで知られています。
そんな歴史ある土地で、伝統を重んじながらも、ミスを恐れずにリカバリーを成し遂げる革新的な姿勢。
この「酒々井の諸事情」には、土地の恵みだけでなく、そこで働く人々の「折れない心」が宿っています。
2025年を象徴する、まさに「奇跡の1本」と呼ぶにふさわしいお酒です。
「うなやま」の鰻は、職人技というブラックボックスを排除し、誰もが同じ美味しさを提供できるシステムを構築したからこそ、この価格で提供できています。
一方で、この「酒々井の諸事情」は、システムが予期せぬ方向に狂ったとき、最後は「人の情熱と執念」が味を支えたお酒です。
合理的で革新的な「鰻」と、泥臭いまでの執念から生まれた「酒」。
対照的に聞こえるかもしれませんが、根底にあるのは「お客様に価値あるものを届けたい」という共通の想いです。
味わいは、トラブルから生まれたとは思えないほど、凛としていてスマート。
キレの良い飲み口は、私たちが自信を持って提供する、脂の乗った香ばしい鰻の味を、より一層引き立ててくれます。
この「酒々井の諸事情」は、非常に希少な限定酒のため、「1升瓶1本」のみの入荷となります。
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「諦めないリーダーの姿勢」に共感してくださる方
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トラブルを物語に変えた、2025年だけの味を体験したい方
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何より、美味しい鰻をより美味しく楽しみたい方
完売次第、終了となります。
ぜひ、このお酒を飲みながら、私たちの新しい挑戦や、皆さまの日常にある「逆転の物語」についてお話しできれば嬉しいです。
「美味しい鰻を、もっと身近に。もっと自由に。」
そんな「うなやま」のコンセプトを体現する一皿とともに、皆さまのご来店を心よりお待ちしております。
藤沢の「うなやま」で、最高の鰻をご用意してお待ちしております。