皆様、こんにちは。「うなやま」店主です。
いつも当店をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
本日はお店をスタッフに任せて、東京まで足を運んできました。
今回の目的は、これから夏に向けて皆様にご提供する「日本酒」の試飲会への参加です。
普段、なかなか東京まで出る機会がない私にとって、こうした遠出は貴重なインプットの時間でもあります。
せっかくの機会を無駄にすまいと、試飲会の前に少し足を伸ばして「道具の聖地」へと向かいました。
試飲会場である両国へ向かう前に立ち寄ったのは、浅草にある合羽橋です。
料理人にとって、ここは何度訪れても背筋が伸びる場所であり、同時に宝探しのようなワクワク感を与えてくれる場所でもあります。
よく「料理は五感で楽しむもの」と言われますが、私はその中でも「視覚」を左右する食器は、味と同じくらい大切な要素だと考えています。
どんなに素晴らしい食材を使い、丹精込めて調理した料理であっても、器ひとつでその表情はガラリと変わります。
器にこだわることで、料理のクオリティはより高く、より深いものとしてお客様に届く。
そういう視線も大事だと思っています。
久々に訪れた合羽橋は、今や完全に「世界的な観光地」となっていました。
右を見ても左を見ても、熱心に道具を覗き込む外国人観光客の方々でいっぱいです。
彼らが日本の職人技が光る包丁や漆器に目を輝かせている姿を見ると、日本人として、そして同じ料理人として、どこか誇らしい気持ちになりますね。
今回は、近々メニューに加える予定の「新メニュー用」の器を探して歩き回りました。
「これだ!」という運命の出会いを求めて何軒も回ったのですが……。
残念ながら、今回は私のイメージにぴったりとハマるものには出会えませんでした。
「せっかく来たのに」という思いも少しありましたが、これもまた巡り合わせです。
中途半端な妥協をして店に並べるよりは、「これだ」と思える逸品に出会えるまで探し続けるのが、うなやま流。
またの機会に持ち越しです。
合羽橋に来たら、手ぶらで帰るわけにはいきません。
私が必ず立ち寄るのが、包丁の名店として名高い「つば屋」さんです。
包丁はもちろん素晴らしいのですが、私がここで長年愛用しているのが、実は「野菜ピーラー」なんです。
「ピーラーなんてどれも同じ」と思われるかもしれませんが、つば屋さんのものは次元が違います。
野菜に刃を当てた瞬間のスッと吸い込まれるような感覚、そして軽い力で均一に、美しく剥ける快感。
一度これを知ってしまうと、他のものは使えません。
ただ、毎日フル活用していると、やはり1年ほどで切れ味にわずかな陰りが見えてきます。
そのため、合羽橋に来るたびに新調するのが私のルーティン。
今回も無事に新しい相棒をゲットしてきました。
これで明日からの仕込みも、より一層捗りそうです。
さて、合羽橋を後にして、本日のメインイベントである日本酒の試飲会会場、両国へ。
会場に足を踏み入れると、全国各地から集まった熱気あふれる蔵元の方々と、厳選された銘酒たちがずらりと並んでいました。
今回、私が楽しみにしていたのは、うなやまでも日頃から仕入れさせていただいている、
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瀧自慢(三重県)
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黒龍(福井県)
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ゆきのびじん(秋田県) といった、名だたる蔵元の皆様にお会いすることでした。
私たちが普段、何気なく提供している日本酒ですが、その一滴一滴には、蔵元の並々ならぬこだわりと、その土地の風土、そして作り手の想いが凝縮されています。
私は常々、「食べ物や飲み物はストーリーが大事だ」と考えています。
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どんな環境で、どんな水を使って醸されたのか。
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今年はどんな苦労があり、どんな想いでこの味に辿り着いたのか。
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作り手が、どんな料理と一緒に楽しんでほしいと願っているのか。
こうした背景を、蔵元の方から直接お聞きできる時間は、私にとって何物にも代えがたい財産です。
そのストーリーを私が受け取り、今度はお店で皆様にお伝えする。
そうすることで、普通に飲むよりもずっと美味しく、感慨深く、特別な一杯に変わるはずです。
今回は季節柄、これからの蒸し暑い季節にぴったりの「夏仕立て」の日本酒が多くラインナップされていました。
キリッと冷やして美味しい、さっぱりと透明感のある飲み口のものから、夏のスタミナ料理にも負けない力強い味わいのものまで、本当にバラエティ豊か。
プロ向けの試飲会では、味を確認した後に、用意された容器に一口分を出すのが一般的なマナーです。
酔いすぎないよう、多くの種類を正確に評価するための作法なのですが……。
目の前で情熱を持って説明してくださる蔵元さんの顔を見ていると、丹精込めて造られたそのお酒を、どうしても捨てることができませんでした。
「こんなに美味しいお酒を、一滴も無駄にしたくない」 そんな職人気質な(?)性格が仇となり、注がれたお酒をすべてありがたく飲み干していった結果……。
試飲会が終わる頃には、すっかり良い気分になり、「だいぶ出来上がって」しまいました(笑)。
これまでワインの試飲会には何度も参加してきましたが、実は日本酒に特化した試飲会は今回が初めてでした。
ワインとはまた違う、日本酒独特の繊細な世界観と、蔵元の方々の温かい人柄に触れ、非常に貴重な経験となりました。
やはり、「直接話す」ということは何よりも大切ですね。
資料を読むだけではわからない、熱量や温度感。
それを肌で感じることができた一日でした。
この素晴らしい経験を自分一人で留めておくのはもったいない。
次回は、ぜひ当店のスタッフたちも一緒に連れていきたいと考えています。
スタッフ全員が蔵元の想いを知ることで、うなやまのサービスはもっと良くなると確信しました。
今回の試飲会で出会った素晴らしい日本酒たちは、これから「限定日本酒」として、少しずつお店でご紹介していく予定です。
どれも私が自信を持ってセレクトした、ストーリーのあるお酒ばかりです。
季節の移ろいとともに、その時にしか味わえない一杯を。
皆様に最高の状態でお届けできるよう、新調したピーラーで丁寧に仕込んだ料理とともに、首を長くしてお待ちしております。
次回来店時には、ぜひ「あの時のお酒の裏話は?」と私に振ってみてください。
出来上がってしまう前の、しっかりとした記憶をもとに(笑)、熱く語らせていただきます!
今後とも「うなやま」をよろしくお願いいたします。
うなやま 店主